【書籍紹介】ヴィーガン・ガストロノミーの世界に触れてみる

仕事のこと

最近読んだ料理本の紹介をしたいと思います。

銀座FAROエグゼクティブ・シェフである、能田耕太郎さんによる「ヴィーガン・ガストロノミー」という本。

なんと定価5,000円(+税!!)

料理本としてはそれはまあ高級な部類です。

実は値段も値段なので、購入前は若干のためらいがあり、

「5000円は結構高いなー…ヴィーガン料理を目指すわけでもないし。。でも能田シェフの本だし、写真の美しさは参考になりそうだし一応買ってみようかな。。」

くらいの気持ちで買ってみましたが、読んだ後の率直な感想は

「うおぉぉ内容濃すぎでしょ…これで5000円は安っ!!!」

と頭をぶん殴られたくらいの衝撃を受けました。。

本当にすみませんでした。

一人でも多くにこの感動が届けばいいなと思い、この本の魅力をお伝えしていきます。

能田耕太郎シェフについて

ご存知ないかたのために、まずはシェフについて。

僕がイタリアにいた当時、イタリアはラツィオ州のローマで「Bistrot64」というお店のオーナーシェフをされておられました。

当時からミシュラン一ツ星を獲得しており、スペシャリテのじゃがいものスパゲティ(※)はシンプルながら完成された料理で是非一度食べてみたい!と思っていた記憶があります。

※じゃがいものみを使用してスパゲティの麺を再現した一皿

2018年10月に銀座資生堂FAROのエグゼクティブ・シェフに就任され、ここでもミシュラン一ツ星を獲得。

つまりイタリアと日本の両方でミシュランの星を持つシェフということですね!

偉大すぎます。。

イタリアンという料理のジャンルを超えて日本を代表するシェフの一人です。

FAROについて

FARO「ファロ」は東京・銀座の資生堂ビル10階に店を構える、モダンでオリジナリティーのあるイタリア料理を提供するレストラン。

「ミシュランガイド東京2021」にて一ツ星を獲得。
「ミシュランガイド東京2022」にてグリーンスターを獲得。

昼・夜ともに野菜のみで構成されるヴィーガン仕様のコース、肉・魚も食べられるフルコースの2種類が用意されています。

ドリンクもアルコールとノンアルコールの2種類ペアリングが用意されており、お酒を飲めないかたでも十分満足できる内容となっています。

公式ホームページはこちら

MENU内容や価格はこちらからご覧いただけます

◆電話◆
0120-862-150/03-3572-3911

◆営業時間◆
【昼】12:00~15:30(L.O.13:30)
【夜】18:00~23:00(L.O.20:00)

◆定休日◆
日曜日、月曜日、夏季(8月中旬)、年末年始

食べログで写真や口コミを見る

WEB予約上で満席でも、電話で問い合わせれば予約可能な場合もあるようです!

ヴィーガンについて

そもそもヴィーガンの定義とは?

動物性食品の摂取のみならず、ウール、毛皮等の動物製品の使用を避けることの実践とされる。食生活においては菜食主義(ベジタリアン)とは異なり乳製品も避ける。

Wikipedia

つまり動物性のものは一切受け付けない人のこと。。

料理を作る上では制限が多くなるので、メニュー構成や調味が非常に難しいと言えます。

肉や魚、チーズ等の旨味はもちろん、バターや生クリームのコク、油脂や咀嚼による満足感などをいかに補うか?

野菜のみの構成という制限の中でフルコースの料理を作ることは大変な困難であることは想像に難くありません。。

本の内容

まず驚いたのですが、この本の最初に紹介されるレシピがスペシャリテのじゃがいものスパゲティであること。

「どのようにしてこの一皿が誕生したのか?」

「発酵バターを使用していたが、ヴィーガン対応にするためには?」

などと、能田シェフの思考やこの一皿にまつわる背景などが英訳付きで細かに解説されています。

個人的にはこれだけでも購入する価値のある本でした。

もちろんそれだけではなく、FAROのヴィーガン・ガストロノミーを構成する要素を大きく11に分け解説。

内容の詳細は実際に購入して見ていただきたいですが、一部を紹介すると

  • 卵不使用の手打ちパスタ
  • 乳製品を一切使用しないヴィーガンチーズ
  • みそや醤油のような自家製うま味調味料
  • 熟成食材
  • サスティナビリティの取り入れ方
  • などなど

なんと最後には全80品以上からなる季節ごとのコースメニューも全て美しい写真とレシピ付きで記載されています。

この内容で5000円は安すぎるのでは?と思わざるを得ません。

あえて一つだけ不満を言えば…

シェフパティシエ加藤峰子さんのデザートが5品しか掲載されていないことです。。

それでも非常に満足の内容だし、加藤さんのデザートだけで本が一冊できると思われるので、将来的に書籍化されることを渇望しています!!

【加藤峰子シェフパティシエ】
世界一にも輝いたミシュラン三ツ星のレストラン「オステリア・フランチェスカーナ」を始め、イタリア各地の名だたる星付きレストランでシェフパティシエを務める。
その独創性と個性が際立ったデザートは、コース料理の締めくくりにふさわしい。

まとめ

能田シェフは書籍の中でこう語っています

ヴィーガン料理は「制限」ではなく、表現の可能性を広げるものだということを、本書を通して知っていただけたら幸いです。

料理のジャンルにとらわれず、非常に学びが得られる内容でした。

ヴィーガン・ガストロノミーを通じて、能田シェフの思考の世界に触れてみてはいかがでしょうか?

Amazonなどで数ページ試し読みができますので、ぜひ見てみてくださいね!

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