若いころはよくシェフや先輩たちに言われていた言葉があります。
「ちゃんと考えろ」
「よく考えろ」
「もっと考えろ」
・・・・・・
「考えるって、何を??」
そのつど若かりし頃のBACUは「考えるってどういうこと?」と思うのでした。。
きっかけは1冊の本だった
料理人にとって考えるとはどういう事でしょうか?
僕のこの疑問をある時解決してくれた本があります。
「13歳からのアート思考」
このアート思考という考え方を、料理人の立場に置き換えてみたのです。
それでは具体的に考えるとはどういうことなのか?
僕なりの解釈を解説していきたいと思います!
このサラダから何を感じられるか?
料理人ならば皆、食べ歩きをして料理の勉強をする人がほとんどですよね。
例えば、あるお店へランチに行き、一見なんの変哲もないサラダが出てきたとします。
普通の人なら、「美味しい」「好みの味」「何が入っているんだろう?」
くらいの感覚で食べてしまうことでしょう。
では、料理人目線ではどうなるでしょうか?
若い頃の僕が考えていた事(これでは不十分)
僕も以前は様々な料理を食べ歩いて、少しでも自分の勉強になるように努力していました。
若い頃に食事をしながら考えていたのは以下のような事。
- ドレッシングにレモンの酸味が加わって爽やかな味だな、どんなレシピなんだろう?
- サラダに加えられたキヌアがプチプチして食感が面白いな、今度真似してみよう。
- トマトがしっかり甘く完熟していて美味しい、どこのトマトなんだろうか。
- お洒落なサラダボウルのような食器がかわいい、どこのメーカーのものなんだろうか?
このように考える料理人さんは多いと思います。
しかし今は調べれば何でも情報が手に入る時代。
Youtubeでは誰でも作れる美味しい料理のレシピが出回っていますし、真似すれば素人でも料理が作れてしまうのです。
それでは、あなたが考えるべきはどんなことでしょうか?
より良い料理人になるための「アート思考」という考え方
「アート思考」という料理とは一見関係なさそうな言葉を用いました
料理は、料理人の頭の中が形になってできた『作品』であると想像してください。
アート思考とは、作った料理人の思考を読み解く考え方なのです。
ここでは一旦、『なぜ~したのか?』という風に考えるとわかりやすいかと思います。
・なぜ、酸味の効いた爽やかな味付けにしたのだろうか?
(夏場で暑いため、さっぱり食欲がなくても食べやすいようにかも
(女性客が多いため女性の嗜好に合う味付けにしているのかも
・なぜ、サラダにキヌアを加えたのか
(食感のアクセントと咀嚼回数を増やしてボリューム以上の満足感を得られるようにかも
(健康志向のOLさんの間でキヌアが流行っているのかも
・なぜ、この形にトマトを切って、この盛り付けにしたのだろうか?
(トマトをクシ型に切ることで、どの部位を食べても甘味を均等に感じられるようにしたのかも
(右利きなら右手前のトマトから食べ初めるので、最初の一口目に甘いトマトのインパクトを与えたかったのかも
・なぜ、このお皿を使ったのだろう
(サラダの葉・キヌア・ドレッシングを混ぜて食べてもらいたいので、やや深みのある器を使ったのかも
(イタリアンだがシェフの地元の京野菜を使っているので、食器にも和のテイストを加えたかったのかも
もちろん、なぜそうなったのかは作った本人しか知り得ないため、正解があるわけではないです。
しかしながらアート思考で作り手の意図を考えられるようになると、
美味い・不味い以外の着眼点を見つけ出し、「自分はお客さんにこう感じて欲しい。だったらこうしよう」という発想に転換できます。
自分なりの答えを見つけ出せるようになり、そこからオリジナリティが生まれることでしょう。
「誰でもできる当たり障りのない料理」よりも「誰かに刺さる、あなただけの料理」ができるようになるはずです!
まとめ
今回は料理人目線でアート思考を解説してみました。
この考え方は、料理以外でもビジネスや日常生活の問題解決などにとても役立つものです。
身につけられればより人生の糧になることでしょう。
みなさんも是非実践してみてください!
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