和・洋・中といった料理のジャンルを問わず使われるじゃがいも。
どんな飲食店で働いても必ずといっていいほど手に触れる機会が多い食材のひとつです。
調理法も茹でる・蒸す・焼く・煮る・揚げるとさまざま。
その姿は前菜や肉料理の付け合せだけにとどまらず、じゃがいも自体が主役級の一品料理や、はたまたパスタなど多様にアレンジされています。
よく扱われる食材なだけに、調理法によっては「思っていた仕上がりと違った」「失敗してしまった」といった経験がある人もいるのではないでしょうか?
なぜ失敗してしまったのか?どうすれば良かったのか?という疑問をこの記事で解決していきます!
じゃがいもの種類と使い分けは?
A:大きく分けると、「ホクホク系」と「ネットリ系」の2種類
ホクホク系は調理すると崩れやすくなり、ふっくりしたテクスチャーになります。
ネットリ系は調理しても崩れにくいため、じゃがいもの形を残す煮物などの料理に向いています。
じゃがいもの保存方法は?
A:理想的な保存温度は7~10℃。
新聞紙に包むか紙袋に入れ、日光が当たらない冷暗所で保存しましょう。
夏場なら冷蔵庫の野菜室でも良いですが、乾燥しすぎるとしわしわになるので注意。
温度が高すぎると芽が出てしまうのでNG。
0℃以下になる場所もデンプン質が分解されて味が落ちるためNGです。
温度が高すぎると発芽や分解がはじまり、温度が低すぎると代謝が複雑に変化してデンプンや糖が分解する
引用:マギー キッチンサイエンス
じゃがいもから芽が出ていたら?
A:芽には毒性があるので食べてはいけません。
毒性アルカノイドのソラニンおよびチャコニンが含まれ、食べると独特の苦味や喉の焼けるような感じがあります。
皮が緑色に変色していたら?
A:皮を厚くむいて調理するか、食べずに捨てましょう。
緑色の部分は日光が当たった影響です。
緑色の部分は芽と同じく毒性があり、強い苦味を感じることもあります。
水から茹でるのはなぜ?
A:煮崩れを防ぐためです
じゃがいもは低温(60~70℃前後)で加熱すると、その後に長時間加熱しても硬さが保たれる作用があります。
特に丸ごと茹でるときは、水からゆっくりと温度を上げる間に外側がしっかりと固くなり、中まで火が通る間に外側が柔らかくなりすぎるのを防ぐことができます。
丸ごと茹でている間に爆発してしまった!
A:火加減が強すぎたのかもしれません
水からゆっくり茹で始め、沸騰したら水面がゆらゆらする程度の火加減で優しく茹でてください。
竹串がすっと刺さる硬さになったらOKです。
爆発してしまったものはマッシュポテトにする他、じゃがいものニョッキなどに活用しましょう。
電子レンジで火入れはできる?
A:できます。じゃがいもの大きさによって調整しましょう。
ラップをかけずに500wで3分加熱→ひっくり返して1分。
竹串がすっと刺されば完成です。
ラップをかけると加熱ムラができてしまうので注意しましょう。
引用:新・野菜の便利帳
フライドポテトがすぐにしんなりする
A:初めに低めの温度で揚げ、その後高温でカリッと揚げます
さっと揚げただけでは内側からの水分ですぐにしなしなになってしまいます。
初めに低温で揚げる事で、表面に溶け出したデンプンが外の細胞壁を補強し、厚くて丈夫な皮を作ることが可能です。
フレンチ・フライを上手に揚げるには、初めは低めの120~165℃で8~10分、次いで175~190℃に上げて3~4分、外がカリッときつね色になるまで揚げる。
引用:マギー キッチンサイエンス
ポテトチップの美味しい揚げ方は?
A:揚げ方によって食感が変わります
一定の高温(175℃前後)で揚げるとシャリッとした軽い仕上がりに。
120℃前後からはじめて8~10分かけて175℃にすると、硬くてバリッとした食感に。
スライスしたじゃがいもは一度水にさらして表面のデンプン質を洗い流しておくと、揚げている間に焦げにくくなります。
マッシュポテトを作るときに粘りが出てしまった
A:デンプン質が残っていたり、潰して混ぜすぎたりしています
美味しいマッシュポテトやニョッキは、ふんわり軽い口当たりが大切。
もし粘ついた仕上がりになってしまったら、以下のような原因が考えられます。
・じゃがいもを茹で足りない、もしくは茹でムラがある
・じゃがいもの皮を剥いてカットした際に、デンプン質を洗い流していない
・熱いうちに裏ごししていない(冷めてしまっている)
・茹でたじゃがいもを裏ごしする際、細胞を潰して混ぜすぎてしまっている
参考に、料理家である樋口直哉さんの「究極のマッシュポテトのレシピ」がとてもわかり易く解説されているのでぜひ一度ご覧になられることをおすすめします。
プロが使うかっこいいピーラーを教えて!
ぶっちゃけ機能性だけなら、その辺のホームセンターや100均で買えるもので十分ですが。。
海外のシェフたちが使うような、こんなに見た目がおしゃれなピーラーもあります。
ハイエンドキッチンツールメーカーである、ドイツのレズレー社製。
ちょっとした小物もおしゃれな方がいい、人とは違うものにこだわりたいという人向け。
レストランで使用される変わった品種は?
A:多種多様なバリエーションがあります
見た目、味わい、食感など様々な品種があるため、使う料理によって選びたいところです。
参考までにレストランなどでよく使用される品種をご紹介します。
【インカのめざめ】
特徴はその甘さ。まるで栗やサツマイモのように甘く、舌ざわりはねっとりと滑らか。
小粒であらゆる料理に向き、お菓子の材料にも。
【レッドムーン】
鮮紅色の皮が特徴で、果肉は黄色。
ねっとりとした品種で煮物や、色合いを生かした皮付きの料理に向く。
【シャドークイーン】
アントシアニンを多く含み、皮も実も濃い紫色をしている。
調理後も色落ちせず鮮やかに仕上がるので、マッシュポテトやサラダに。
じゃがいもを使ったイタリア郷土料理を教えて!
以下に思いつく一覧を記載しました!
イタリア語のリンクから、YouTube動画の検索結果へ飛べます。
・Insalata Russa【ピエモンテ州】
ロシア風サラダ
・Gnocchi di Patate【イタリア北~中部】
じゃがいものニョッキ
・Frico
【フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州】
フリコ(じゃがいもとチーズのお焼き)
・Tiella(Riso Patate e Cozze)【プーリア州】
米とじゃがいも、ムール貝のティエッラ
・Pasta e Patate【イタリア南部】
じゃがいものパスタ
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